今期の学術委員会の活動としては,①学術活動の活性化,特にクリニカルリサーチ,トランスレーショナルリサーチの強化,②実りある学術大会開催による会員の学術活動推進,③社会への情報発信を基本的方針として活動する予定です.具体的には学術大会の企画を検討するなかで海外講師による招待講演をはじめ,研究推進企画としてのシンポジウム,会員教育企画としてのセミナー・ワークショップ,他学会とのジョイントシンポジウム,補綴歯科学における学術戦略の立案,他の委員会と協力した学会主導研究を企画しています.また,学術大会の日程や開催形式,社会的アピールとしての市民公開講座の開催方法についての検討を予定しています.このような学術大会の充実による会員の学識・技術の向上によって補綴歯科臨床による社会貢献をすることで国民の健康福祉の増進と改善に寄与したいと思います.皆様のご期待に添うよう尽力してまいりますので,ご協力いただきますようよろしくお願いいたします.
編集委員会は,委員長,副委員長,委員 10 名の合計 12 名で担当させていただくことになっております.
主な活動は,和文誌と英文誌の査読,編集ですが,これまでの郵便での処理ではなく,Web 上で処理できる新たな査読システムを構築する予定でおります.本年度は,手始めにメールでの処理を開始させていただいております.
和文誌は,研究・教育・臨床成果を公表する場でありますので,依頼論文,テーマ論文などの内容の充実を図るとともに,各委員会の成果を集約し,会員の皆様に還元したいと思います.依頼論文やテーマ論文について,ご希望がございましたら,委員会で検討させていただきますので,事務局まで FAX あるいはメールにてお寄せくださるようお願い申し上げます.
英文誌(PRP)は,世界で認められる国際的な学術誌を目指すため,平成 18 年から年 4 号を発刊しておりますが,投稿数の不足から,やや遅れての発刊が続いております.全編集委員がすべての投稿論文について,より懇切丁寧な査読を行うことで,意見の一致がみられておりますので,会員の皆様方のご投稿を切にお願い申し上げます.
学術大会・総会の規模拡大,海外学術交流の活性化,一般市民に向けての広報活動の充実など,財務委員会では学会のさらなる円滑な運営に向けて,適正な収支となるよう引き続き努力いたします.また,予算の請求,執行に関わる事務手続きなども煩雑にならぬよう進めてまいります.会費の納入をはじめ,皆様のご理解,ご協力をお願い致します.
医療問題検討部会
補綴歯科臨床の健康へ果たす役割に関する科学的根拠を収集,蓄積し,これをわが国の歯科医療制度および政策へ反映させるために提言を行います.
特に今年度は具体的な事項に関わる提言を行うために,課題を整理して提示するとともにその課題を解決する根拠となるべき情報を収集する方法を検討いたします.
また,補綴歯科治療に対する学会としての見解を対外的に示すべく各部門との連携を図って意見をまとめてまいります.
特に本部会は医療委員会・診療ガイドライン作成部会・社会保険部会ならびに関連する委員会との共同作業を通じて具現化いたします.
診療ガイドライン部会
診療ガイドライン作成部会は医療委員会の 1 部会として,医療現場で必要とされる診療ガイドラインの作成を主な業務としています.また,15〜18 年度医療問題検討委員会の業務を引き継ぐ形で,「症型分類」についての最終報告に向けての作業を行います.
平成 19 年度は,①多施設でトライアル中の症型分類Tの信頼性に関する報告,②作成する診療ガイドラインの作成方略の決定とそれに基づく作業開始を行う予定にしています.
なお,上記委員のほか,症型分類担当特命委員として,和気裕之,佐藤博信,佐藤裕二,玉置勝司,およびトライアル関係の各大学のコーディネーターの協力を得ます.
社会保険部会
社会保険部会は,医療委員会の一部門として活動しております.日本の歯科医療の大部分が社会保険制度のもとで実施されており,補綴臨床についても例外ではありません.21 世紀に入り歯科の材料や技術も大幅に変化,進歩しており,また患者からのニーズも多様化してきております.そのため歯科医療の根本を考え直す必要があると考えられます.委員会としては,従来どおり,①日本歯科医師会疑義解釈委員会からの諮問に科学的な根拠を添えて答申する,②次期診療報酬改定(平成 20 年度)に向かって(状況によって社員にアンケートを依頼し)問題点を抽出し要望項目を絞りこむとともに,③その他適宜医療問題を扱う試みに参加し歯科全体としての対応に協力するなどの活動を予定しています.どうぞご意見をお寄せください.
運営・研修部会
専門医制度委員会は運営・研修部会と認定部会の 2 部会からなり,前者は部会長,副部会長,執行部役員を含めた委員および幹事の 12 名で構成されています.運営・研修部会は従来の専門医制度検討委員会,生涯学習検討委員会,認定審議会などの業務を担当し,基本的に専門医制度の運営全般を担うことを活動の柱としています.
本学会の認定医は法人化と時期を同じくして専門医に移行しましたが,専門医制度の充実にあたっては質的向上が求められております.国民の立場から見れば,通院可能な範囲に難症例を治療できる専門医が存在することは,平素の安心感につながります.そこで,専門医新規申請者には負担増となりますが,委員会では申請時試験方法の見直しを決定し,現在準備を進めております.一方,専門医の広告開示についても引き続き方策を検討してまいります.
また,運営・研修部会は支部会と連携のもとに生涯学習公開セミナーの企画立案を行います.さらに専門医取得後の研修の場を提供するため,学術大会と併催で専門医研修会を開催いたします.
専門医制度の確立と充実は本学会にとって重要な課題ですので,会員各位からのご支援とご協力をお願い申し上げます.
認定部会
平成 19,20 年度の本委員会の活動方針は以下のとおりです.
- 専門医の質的向上を委員会の重要な活動および行動目標とします.
- 認定部会は主に専門医申請,更新の審査等の認定事業を行います.
- 各支部 2 名,計 18 名の認定医審査委員とともに専門医ケースプレゼンテーションの審査を行います.
広報・社会連携部会
前年度までの広報委員会と社会連携委員会が一つの委員会となり,そのなかに広報・社会連携部会およびホームページ・ニュースレター部会が設けられました.この二つの部会が協力して「補綴歯科」をより広くご理解いただくために活動してまいります.ご協力をよろしくお願い申し上げます.ここでは,ホームページ・ニュースレター部会の活動方針は部会長である鱒見進一先生にお願いして,広報・社会連携部会の活動方針を記します.
学会は公益法人であることから,国民の健康維持,向上に益する活動が求められます.学会活動が上質であるほど国民に益するところは大となり,本委員会もこれまでご尽力いただいた広報委員会と社会連携委員会を引き継ぎ,会員の皆様のご努力を広くお知らせする責任があります.学会活動と社会の接点に市民フォーラム・公開講座やホームページがありますが,これも会員の皆様の日々の研鑽に支えられています.広報・社会連携は,(社)日本補綴歯科学会会員をはじめとして,国民の皆様,関連領域学会,一般の歯科医師,医師,および海外等々を対象として活動していくことになります.今後,「補綴歯科」のさらなる周知と本学会の進化について報告してまいりますので,よろしくお願い致します.
ホームページ・ニュースレター部会
前委員長の石橋寛二先生をはじめ広報委員会のメンバー全員が積極的に活動され,ホームページ,ニュースレターともに充実したものになりました.
今期の活動内容としましては,前年度の活動を継承し,ホームページによるより迅速に,より正確な情報提供を強化するとともに,英文ホームページの充実に向けて努力する所存です.また,ニュースレターに関しましても,部員一丸となってその充実に努める所存です.
- アジア補綴歯科学会(AAP;Asian Academy of Prosthodontics)との交流
第 116 回日本補綴歯科学会学術大会(大会長:井上 宏大阪歯科大学教授)と併催で開催される第 5 回 AAP(2007/5/18(金)〜20(日),神戸ポートピアホテル)のサポート.
- ICP(International College of Prosthodontists)との交流
第 12 回学術大会(2007/9/5(水)〜8(土)福岡 JAL リゾートシーホークホテル福岡で開催)のサポート.JPS 会員で ICP 非会員の ICP 参加希望者の登録のとりまとめ.
- GNYAP(Greater New York Academy of Prosthodontics)との交流
2nd JPS−GNYAP Joint Meeting(2007/10/20(土),21(日)東京 TFT ホールで開催)のサポート.
- CPS(Chinese Prosthodontic Society)との交流
CPS との交流協定の締結に伴う今後の具体的活動方針の決定と交渉.
- IPS(Indian Prosthodontic Society)との交流
IPS との交流協定の締結に伴う今後の具体的活動方針の決定と交渉.
- 大韓補綴歯科学会(KAP;Korean Academy of Prosthodontics)との交流
第 117 回日本補綴歯科学会学術大会(大会長:田中貴信愛知学院大学教授)と併催で開催される第 3 回 KAP(2008/6/6(金)〜8(日),名古屋国際会議場)の具体的活動方針の決定と交渉.
- Journal of Oral Rehabilitation(JOR)との交流
JOR の Sponsoring Organization としての連絡および協力.
- 広報・社会連携委員会との連携
English Home Page の更新.
本委員会は平成 17 年度の赤川前理事長の執行部において,それまでの実技教育検討委員会と研修教育検討委員会とが統合されてスタートしています.歯科の臨床における補綴学的な知識や技能の習得は非常に重要であるにもかかわらず,その教育はほとんどが個々の歯科医師に任されているのが現状です.学会としては,卒前卒後の補綴学教育のあり方に関する基準を明確に示し,専門医制度との齟齬がないように,また一般的な補綴医療水準を少しでも高められるようにしていかなければなりません.
平成 17 年 2 月に実技教育検討委員会(皆木委員長)より実技に関する評価等を詳細に検討した報告書「補綴実技教育の評価を考える(本学会誌 49 巻 1 号)」が提出されました.また,前委員会(櫻井委員長)では,平成 18 年 12 月に「歯科補綴学教育基準改訂 2006」として,補綴学の知識に関する基準が提示されました.
これらを踏まえ,われわれは平井理事長の下で次の 3 点を目標として今期の活動を行いたいと思います.
- 補綴学技術教育の現状把握
アンケートを実施させていただきます.
- 歯科補綴学技術教育基準の策定
卒前・研修医・レジデント・補綴専門医などの到達段階ごとに,具体的な基準を策定できればと思っています.
- コアカリキュラムの見直し
このことに関する学会の立場は不明瞭ですが,学会の教育基準策定の際には視野に入れておく必要があると思います.
今年度の規程検討委員会では,下記に示しますように,まず委員会構成の変更に伴う規程の改廃,修正および制定手続きを早急に行ってまいります.
- 廃止―法人運営委員会規定
- 改正―部会、部会長に関する事項の追加,修正
- 1) 医療委員会規定
(医療問題検討部会、診療ガイドライン部会、社会保険部会)
- 2) 広報・運営委員会規定
(広報・社会連携部会,ホームページ・ニュースレター部会)
- 3) 専門医制度委員会規定
(運営・研修部会,認定部会)
- 修正
- 1) 各規程の廃止,改正に伴う,規程集全般における文言の修正
- 2)「庶務担当理事」から「総務担当理事」への変更に伴う,規程集全般における文言の修正
- 制定(新設)―研究企画推進委員会規程
その他,各委員会から規程集に関する改正の発議があり次第,順次対応していく予定です.会員の方々のご協力を賜りますようお願い申し上げます.
前期の委員会活動を引き継ぐとともに,関連学術分野(医歯学系:形成外科学,耳鼻咽喉科学,口腔外科学,顎顔面補綴学など,社会学系:音声言語学,色彩学など)との用語整合性を積極的に図ります.具体的には以下の項目について,検討・実施を行います.
- 歯科補綴学専門用語集の改訂
- ネットフリー百科事典「ウィキペディア」への書き込み
- 日本歯科医学会学術用語集改訂作業の推進
- 歯科医師国家試験,共用試験,歯科保険などでの整備・採択推進
- 関連学術分野との連繋強化・整合性向上
- その他
平井理事長のもと,新たに設立された委員会で,その目的は学会を挙げての研究を企画し,学会員に広く研究協力を依頼し,その結果をまとめて宿題報告として学術大会等で発表することにあります.この結果は,指針やガイドラインを作るためのデータとなり,社会に還元することとなります.医療委員会,学術委員会,編集委員会との連携が必要となります.
研究テーマの条件として,
- 結果が社会にアピールできる(補綴治療の有用性など).
- 短期(1 年程度)で結果が出るものを優先的に行う.
- 中期(2〜4 年程度)で結果が出るものについても検討を行う.
- 長期(5 年以上)必要なテーマについてもスタート可能な準備を行う.
などを考えています.
会員の皆様よりテーマを募集したいと思いますので,ぜひご連絡をお願いいたします.