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第116回 日本補綴歯科学会学術大会の総括

 

大会長 井上 宏

 この度の第116回学術大会は第5回アジア補綴歯科学会との共催として、「国際補綴歯科学会神戸2007」の名称で開催致しました。国際学会としての名称をかかげて補綴歯科学会学術大会を行ったのは今回が初めてのことでしたが、アジアの補綴家の先生方が多数参加されたことによる交流と日本の補綴学会の学術レベルを知ってもらうよい機会となったと考えます。とくに、前赤川理事長が進めてきたインド補綴歯科学会との交流が、今回の学会から具体的に始まったことも大きな意義と成果があったと考えております。また、神戸での開催も補綴学会始まって以来初めてのことでしたが、魅力的な街であり、交通の便もよく、会場設備も整っていたのでよかったと思います。花鳥園での懇親会も今までとは違ったなごやかな雰囲気でありました。口腔インプラント学会とのジョイントシンポジウムも1500人入る広い会場がほぼいっぱいで、会員のインプラントについての関心の高さを物語っていましが、同時にインプラント歯科学の研究・臨床を補綴歯科学会としてどのように進めてゆくかが課題となってきたと考えます。

井上先生写真 今回、新しく企画された企業による6つのランチョンセミナーも準備された1200食の昼食もあっという間になくなり、企業と会員間の学術交流が深められました。これを機会に企業と学会の共同で補綴臨床器材に関連する新しい研究の始まりが期待されます。

 学術プログラムにつきましては、これまでになく沢山の企画がなされ会員の先生方は選択に苦慮されたと思います。uptodateな内容と適切な演者の選定に努力を戴きました 学術委員長ならびに委員の先生方に感謝申し上げます。

 研究発表は一般口頭発表をやめ、課題口演のみとして44演題を4会場に分かれて同時発表と致しましたが、その内容はいずれも新規性に富む完成度の高い素晴しい研究でありました。とくに、コンペティション優秀賞に選ばれた8つの研究はいずれも補綴歯科学が探求する21世紀型の内容で、脳科学研究、遺伝子研究、インプラント臨床研究、生体材料研究などバランスよく選考されていました。本学術大会の目的の1つに最先端サイエンスを取入れた歯科補綴学の研究を社会に提供することにありましたので十分その目的が達成されたと考えます。

 一方、基礎研究に対応する臨床の研究が少なかったことから、課題口演に症例報告や機材器具の開発などの補綴臨床セッションを独立して取り入れる必要があると感じました。是非、次回大会に企画をお願いする次第です。

 井村先生の特別講演そして平井理事長の理事長講演は、いずれも本学術大会の目的として掲げた21世紀型の歯科補綴学を目指した未来価値を見つけ出すことに呼応した内容でありました。理事長講演では、歯科補綴学の目標を「リハビリテーション」と「QOLの維持・向上」に置き「予防」を加えた健康科学にあるとした明確な指針を示され、同時に補綴専門医の必要性を強調され2年間の活動内容が会員に提示されたことは大変意義あるものと考えます。

 又、市民公開シンポジウムについては、患者さんサイドからの目線からみた補綴歯科治療を知ることができ、市民の皆様へ口から食べることの生命的な意義と補綴歯科学の役割を伝えることができたと考えます。

 大会長として今回の学術大会で掲げた5つの目的は、すべて達成されたものと総括しています。

 
 
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