大川周治理事長をはじめ理事の先生方，そして本学会の諸先生方のご高配を賜り，公益社団法人日本補綴歯科学会第129回学術大会を九州大学大学院歯学研究院口腔機能修復学講座で担当させていただくこととなりました．
会期は2020年6月26日（金）から28日（日）までの３日間で，福岡国際会議場にて開催する予定としておりましたが， 新型コロナウイルス感染症の蔓延と，それに伴う福岡県に対する緊急事態宣言発出という事態を受け，福岡国際会議場を使用しての通常の大会形式での開催は断念せざるを得なくなりました．種々検討の結果，誌上とWeb会議システムを併用するかたちで開催することといたしました．
　今大会のメインテーマは「食力向上による健康寿命の延伸」です．メインテーマと関連して，日本を代表する疫学研究である久山町研究を推進されている九州大学大学院医学研究院の二宮利治教授による特別講演，そして，日本学術会議との共催となるメインシンポジウム「食力向上による健康寿命の延伸：補綴歯科の意義」をはじめ，多くの素晴らしいプログラムを水口学術委員長をはじめとする学術委員会の先生方，さらに各委員会の先生方の多大なるご尽力により準備していただきました．
　WEBでの開催に伴い，国際セッション，市民フォーラム，イブニングセッション，ハンズオンセミナー等の実施を断念しました．しかしながら，前述の特別講演，メインシンポジウムを始めとするほとんどのシンポジウムを開催する予定です．さらに課題講演やポスター発表は，WEB開催にもかかわらず賞の選考も含めて実施することといたしました．
　プログラムは少々縮小せざるを得ませんでしたが，当初予定していたのとほぼ同じ日程・時間帯でWEB会議の形で129回大会を実施できる目処が立ちました．歯科系の大規模な学会では初めての試みではないかと思います．より多くの皆様にご参加いただき，129回大会を例年の学術大会と同じように楽しんでいただくと同時に研鑽の機会にしていただくことが，新型コロナウィルスによって我々にもたらされた悪影響を乗り越える意味でも極めて重要なことだと思っています．
　モツ鍋，水炊き，とんこつラーメン，明太子を始めとする福岡のグルメも学会参加の楽しみの一つであったかと思います．このような状況下では，どこにいても外食は楽しめません．その代わり宅配が多様化してきました．博多のグルメは宅配で楽しんでいただき，補綴学会のプログラムはWEBで楽しんでいただくというのが，新しいスタイルとも言えます．
　新型コロナウィルス感染症の影響を吹き飛ばす意味も込めて，多くの皆様のご参加を心よりお待ちしています．